外国人観光客が増える中、関西の観光地ではある“お荷物”の不法投棄が問題となっています。
多くの観光客が行き交う大阪・ミナミ。
今年上半期に大阪を訪れた外国人観光客は847万6000人にのぼり、過去最多を記録しています。
こうした中、ある問題が……。
石川千智記者
「電柱の横に青色のスーツケースが置かれています。見た感じまだ使えそうなスーツケースです」
路地裏に置かれたままのスーツケース。いま、路上などでの放置が社会問題となっているのです。
付近のお店の人
「ゴミ捨てたりやっていたら、街も汚れるし。お金おとしてくれる分には良いですけど」
頭を悩ませているのは関西の空の玄関口でもーー。
関西空港のゴミ箱の横にもスーツケースが放置されていました。
警備員が廃棄と書いた紙を貼り、所有者の分からないスーツケースは、一定期間保管した後、リユースまたは廃棄しています。
コロナ渦以降、関西空港のスーツケースの放置件数は、3年連続右肩上がりで、2024年は816件と過去最高に……。
こうした放置について空港の利用客は?
利用者(日本人)
「放置なのか、何かするのに置いているのかも分からない。触るのも怖いしみたいな」
利用者(スペイン人)
「置いて帰ることは理解できません」
(Q:スペインではこういう問題はないんですか)
「ありません」
利用者(香港人)
「よくわかりませんが、日本に来るといつもたくさんお買い物をしたくなっちゃうんです。お土産を買ったり。なので、ちょうどいい旅行かばんを見つけるのって難しい」
スーツケースの“置き去り”を巡っては摘発されたケースも。
7月、中部国際空港では、サイズオーバーにより機内に持ち込めず、空港にスーツケースを放置した男性が書類送検されました。
さらにホテルでもーー。
ベストウェスタンホテルフィーノ大阪心斎橋 金子健太郎 総支配人
「1週間ぐらいでこれくらいです。1日多い時は3つ4つ。基本的にはお客様の部屋からの遺失物として、3カ月間保管しています。壊れているものもあれば、使えそうなものもありますよ」
大阪市内のホテルでは、多い月は20個ほど放置されることも。処分費用は2か月で5万円ほどかかっていたということです。そこで始めた新たな取り組みが。
ベストウェスタンホテルフィーノ大阪心斎橋 金子健太郎 総支配人
「今年の3月まで廃棄をさせていただいたんですけど、ただ物が多いので。清掃担当している会社さんの方が持って帰っていただいて、半分に切ってプランターにしているみたいですね」
別の用途に加工し、スーツケースの再利用を進めています。
観光客急増の裏で深刻化するスーツケースの放置。様々な対策が急がれます。
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