食品ロス削減への新たな一手
まだ食べられるのに捨てられてしまう食品。いわゆる食品ロスが、日本では年間500万トン以上にものぼります。これは、一人ひとりの「もったいない」という意識だけでは、なかなか減らせるものではありません。
泉大津市ではこれまで、家庭でできる工夫を伝える「エコクッキング教室」や「エコレシピ募集」などに取り組んできました。これらは、環境に関心の高い市民の参加によって一定の成果を挙げてきた一方で、どうしても参加する人が限られ、関心のない人には届きにくいという課題も見えてきました。知識だけで終わらせず、“やってみる人”がもっと増えていくような仕組みが、いま求められています。
「エコレシピNO.1グランプリ」開催概要
日時 令和7年7月8日(火)午後2時~4時(予定)
場所 大阪調理製菓専門学校(泉大津市東豊中町3丁目1番15号)
内容 食品ロスに関する事前授業を受けた専門学生が、4人1組の7チームに分かれ、エコレシピを考案。各チームが考案したレシピを審査員にプレゼンテーションし、専門学校内の厨房で調理を行い、約30人の審査員(市長・中学校長・飲食店・市民・中学生)が実食・投票して最優秀レシピを決定する。
新しい挑戦!料理を通して、行動を変える
「エコレシピNo.1グランプリ」は、調理の専門学校に通う学生たちが“食品ロスを減らす工夫”を凝らしたレシピを開発し、それを中学生が審査するという、これまでにない形のコンテストです。
料理は、誰にとっても身近なテーマ。環境問題に関心のない層にも、「おいしそう」「作ってみたい」と思えるレシピを通じて、自然と興味を持ってもらうことをめざします。
五感で感じる「おいしさ」と「エコ」
レシピやプレゼンテーションだけでは伝わらない、料理本来の「おいしさ」を五感で評価することが重要です。実際に調理されたものを実食することで「作りやすさ」や「食材の無駄のなさ」を、その場で判断できます。そして、審査員が料理を味わい、その工夫やおいしさを他の審査員と共感することで、より納得感のある評価に繋がると考えています。

未来の食を担う世代、中学生審査員がもたらす影響
味覚は、6~12歳にかけて大きく成長し、この時期に食の好みが形成されると言われています。また、味覚に加え嗅覚も鋭くなることから、料理の魅力を多角的に感じることができます。彼らが料理を評価する経験は、その後の生涯にわたる食や環境への意識・行動に良い影響を与える「食と環境への意識の種まき」となります。

中学生審査員による「波及効果」
中学生ならではの鋭い味覚と感性で料理の魅力を多角的に感じ取ってもらうことで、この企画やテーマへの注目度も向上します。そして、選ばれたレシピは幅広い層にも受け入れられるものになると期待しています。
加えて、このコンテストを通して得た学びや感動は、家族や友人といった身近な人たちに「知ってもらいたい」「おススメしたい」といった形で波及し、食品ロス削減の輪をさらに広げる効果も期待できます。
コンテストが生み出す未来とエコレシピの可能性
本コンテストを通じて、参加者が減農薬の食材利用や食材を無駄なく使い切る調理法など、「環境にやさしい」「食材を大切に使う」といった環境への意識を、実食を通じて実感できることを期待しています。
また、地場産食材の利用は、新鮮な食材で地域の食の魅力を再発見するとともに、地域への愛着を育みます。さらに、地場産食材は輸送距離が短いため、輸送にかかるエネルギーやコストを抑え、結果としてCO2排出量の削減にも貢献するという理解も深まると考えています。
今後について
決定した最優秀レシピは、8月22日(金)に大阪調理製菓専門学校で開催される「未来発見!中学生フェス2025」で試食機会を設けるほか、11月29日(土)に実施予定の「いずみおおつスポGOMI大会」での出張販売も予定しています。
これらのイベントを通して、本市オリジナル料理として広まっていくことを目指します。
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