堺市は、老朽化が著しい「西消防署臨海分署」の現地建替を計画し、今年度中に建替基本計画を策定、26年度以降から護岸工事及び改築工事(解体・建築)設計に着手する。
現在の西消防署臨海分署は、同市西区浜寺諏訪森町西3―303―3。既存庁舎は分署RC造2階建延1123・53㎡(69年建築)、専用車庫S造平家建162㎡(80年建築)、消防倉庫S造平家建156㎡(74年建築)。
西消防署臨海分署建替事業基本計画策定支援業務は安井建築設計事務所が担当。内容は▽現地建替=現地建替時の施設規模、建物形状、出動動線、車両配置等の検討を行う。また市道・水路廃止及び各既存インフラの現況、その他規制等基本設計に必要な事項の調査、整理を行う▽庁舎の整備方針及び必要機能=①窓口機能(受付室を車庫に隣接させ、車両の監視及び来庁者の対応ができること)②事務機能(レイアウト変更が容易にできるようなOAフロアであり、また、執務室と車庫を結ぶ動線や幅員が、速やかな災害出場に影響がないこと)③職場環境機能(食堂、仮眠室、シャワー室、休憩室など、24時間拘束される勤務形態を考慮すること)④大規模発災時における持続可能な消防庁舎等の整備(地震による被害を最小限に抑える構造、外壁及び窓の落下防止、家具類の転倒防止並びに設備機器及び配管の耐震性の向上を図ること)⑤消防における女性活躍の推進のための機能(女性用の更衣室、休憩室、シャワー室、トイレ、洗面所等、女性が24時間勤務しうる施設であること)⑥環境負荷低減に関する機能(庁舎管理が容易で、省エネルギー化の推進及び光熱水費等が軽減できる諸設備であること)⑦その他受注者の知識、他事例等から必要と思われる機能▽庁舎等の規模の算定等=本庁舎の執務特性を考慮した上で、規模の算定及び階数、庁舎内ゾーニング計画の検討を行う▽建物配置計画に関する考え方=庁舎の高さ、外観等の景観面の検討及び日影規制、騒音等の環境面の検討を踏まえ、計画地における新庁舎、駐車場等の配置計画の検討を行う。
外構整備計画は①来庁者の駐車スペースと必要台数の検討②来庁者及び職員の駐輪スペースと必要台数の検討③総合屋外訓練場(訓練、イベント及び災害時等、多目的に活用が可能な屋外訓練スペース)の検討④消防救急デジタル無線のアンテナの設置の検討⑤消防艇係留場所までの動線計画検討―の各項目をあわせて検討を行う▽既存庁舎の建替え=既存庁舎の解体及び建築を行うための同敷地内での建替手順等、本業務履行期間中も事業継続が可能な現地建替整備方針の検討を行う▽概算事業費=①イニシャルコストの検討(新庁舎本体工事、附帯・外構工事、既存庁舎解体工事、全体の概算事業費算出)②ランニングコストの検討(一般管理費等の概算費用の算出)▽建替事業スケジュール=基本・実施設計期間及び工事施工期間等、必要な事業スケジュールの整理を行う。事業スケジュールは、設計・施工分離による従来型の発注方式に加え、基本設計先行型デザインビルドなど、本建替事業において可能性のある複数の発注方式に対し事業スケジュールを検討したうえで最適な手法を1件以上検討▽その他基本計画策定に関し、関係官公署との協議、各種法的手続きなど必要となる事項の整理。履行期間は25年12月26日まで。
この記事へのトラックバックはありません。