堺市は、地元の伝統産品をPRするブランド「sakai kitchen(堺キッチン)」に、手ぬぐいなど6点を新たに認定した。市では、これまでの認定品と合わせて、14日に「KITTE大阪」(大阪市北区)2階で展示、販売するほか、来年の大阪・関西万博でも展示を予定しており、担当者は「ブランドとして発信することで、多くの人に伝統産品の魅力を伝えたい」と期待する。(北口節子)
堺キッチンは、プロの料理人にも愛用される「堺打刃物」や、手作業で染料を注ぎ込んで染める「 注染 」、16世紀の終わり頃に中国から堺に製法が伝わったとされる線香など伝統産品と、その魅力を引き立てる商品を対象に認定している。
市内の事業者はOEM(相手先ブランドによる生産)や企業同士で製品を取引する「BtoB」を主とするところが多く、一般消費者への知名度で苦戦する。このため日用品として広く長く愛用してもらえるよう2021年度から新商品の開発や堺キッチンのブランド認定に取り組んできた。新たな6点の認定で、堺キッチンは計32点となった。
今回認定されたのは、日本刀のような美しい刃に温かみのあるウォルナット柄の文化包丁や、表裏で柄の色が違うリバーシブルの手ぬぐい、車の部品加工技術を生かし、銅や真ちゅうなど異なる素材や形を組み合わせたユニークな形状の線香立てなどだ。
これまでの認定品の一部は、市のふるさと納税の返礼品に採用されているほか、来年1月からは、市の地場産品を扱う「堺 伝匠 館」(堺区材木町西)でも販売される。10月末に行われた新認定品発表の記者会見で、永藤英機市長は「様々な機会を通じて、堺の上質かつ優れた伝統の技で作られた品々の魅力を感じていただきたい」と話した。
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