大阪府吹田市に住む元会社員の男性(62)は、退職を機に、寺社を巡っている。
「社会人生活を無事に終えたお礼参りをしたい」。そんな思いから、伊勢神宮と近畿2府4県の約150の社寺を結ぶ「神仏霊場 巡拝の道」をたどり始めた。
専用の御朱印帳も買い、今年の夏までに約100カ所を回った。
そして9月、大阪府泉佐野市の山奥にある七宝滝寺を訪れた。
修験道の霊場として知られる寺に着き、御朱印帳を渡そうとして驚いた。
僧侶が、若い欧米人だったからだ。
もっと驚いたのは、その僧侶が、自ら御朱印を書き始めたことだ。
顔をぎゅっと御朱印帳に近づけ、丁寧に丁寧に、筆を動かしていく。
書き終わるまで数分はかかっただろうか。
ほかの寺の日本人僧侶に比べ、それなりの出来栄えではあったが、感動を覚えた。
「欧米人が縦書きで漢字を書く。ものすごく練習したんだろうなあ」
御朱印を書く外国人僧侶がいる――。この男性から情報提供があり、記者は、七宝滝寺に取材に訪れた。
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