堺市は、老朽化した設備の高効率化、エネルギーマネジメントシステムの導入等により、本庁舎をZEB化するため、公募型プロポーザルによる「本庁舎ESCO事業」の提案を募集し、優先交渉権者にアズビルを選定した。
提案概要は①工期25~27年度②省エネルギーサービス期間28年4月1日~43年3月31日③認証予定のZEBシリーズはZEB Oriented④省エネルギー率25・7%⑤CO2排出量削減率26・2%。ESCOサービス料(総額)23億0356万2700円(税込)、光熱水費削減予定額(年額)4466万4千円(税込)、光熱水費削減保証額(年額)3796万4400円(税込)、地域脱炭素・再エネ推進交付金(予定)9億9074万円(税抜)。
主な省エネルギー対策は①空調熱源システム等の高効率化=本館〈高効率な熱源設備を導入し、シンプルな熱源システムを採用することでエネルギー消費効率を最適化。熱源設備をサイズダウンすることで熱源容量を最適化。一次ポンプと冷却塔のファンにインバータを設置することで電気消費量を削減。二次ポンプのサイズダウン、台数制御・変流量制御パラメータの最適化で電気消費量を削減〉、高層館〈高効率な空冷ヒートポンプを追加(空冷ヒートポンプをベースとして運用)することでエネルギー消費効率を最適化。排熱投入型ガス吸収式冷温水機を完全交互運転(常時1台運用)に変更。一次ポンプと冷却塔のファンにインバータを設置することで電気消費量を削減。全ての冷温水二次ポンプをインバータポンプに改修し、台数制御や変流量制御のパラメータを最適化することで電気消費量を削減〉②空調機の高効率化=空調機にインバータを設置することで電気消費量を削減。さらにCO2制御を導入し、外気負荷を削減③換気送風機の高効率化=換気送風機をサイズダウン、インバータを設置し、室温やCO2濃度等による制御を導入することで電気消費量を削減④照明器具の高効率化=従来型照明器具(蛍光灯等)をLED器具に更新することで電気消費量を削減。一部エリアに調光制御や在室検知制御を導入することで電気消費量を削減⑤BEMS(ビルディング・エネルギー・マネジメントシステム)の導入=各種省エネルギープログラム等の機能を追加し、省エネルギー制御を実施。その他の提案は①火力発電の抑制に向けてディマンド・リスポンス(DR)の実施し、SDGsに寄与②ZEB化の波及に向けてパネルの掲示。講習会や個別相談会を開催。
事業内容は①省エネルギー改修=省エネルギー改修設備の設置(設計、施工等を含む)②運転管理=市に対するESCO設備及び光熱水費削減額の保証に関係する設備等の運転方法の指示及び運転状況の確認③維持管理=市に対するESCO設備及び既存設備等の維持管理方法の指示及び維持管理状況の確認④計測・検証=省エネルギー改修及び運転管理による省エネルギー量の計測・検証⑤光熱水費削減額の保証=省エネルギー改修及び運転管理による光熱水費削減額の保証。
業務範囲は▼省エネルギー改修=(1)ESCO設備等の設計、施工、工事監理、工事監督、各種手続き、その他関連業務(2)ESCO設備の所有権移転▼運転管理=(1)本市に対するESCO設備及び光熱水費削減額の保証に関係する設備等の運転方法の指示(2)ESCO設備及び光熱水費削減額の保証に関係する設備等の運転状況の確認(3)省エネルギーサービス期間の終了時の引継ぎ(作業手順書、管理項目一覧等)▼維持管理=(1)本市に対するESCO設備及び光熱水費削減額の保証に関係する設備等の維持管理方法の指示(2)ESCO設備及び光熱水費削減額の保証に関係する設備等の維持管理状況の確認(3)省エネルギーサービス期間の終了時の引継ぎ(作業手順書、維持管理履歴等)▼計測・検証=(1)エネルギー使用状況等の計測(2)省エネルギー量の検証(3)光熱水費削減額の算定▼光熱水費削減額の保証。
対象建築は本館SRC造(一部S造)地下3階地上12階建(塔屋1階)延3万8319・29㎡、高層館S造(一部SRC造)地下4階地上21階建(塔屋2階)延2万5990・11㎡、堺保健センター・市民駐車場S造地上4階建(塔屋1階)延1万1639・75㎡。
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