北海道旭川市と大阪府泉大津市はこのほど、共同でオーガニックビレッジ宣言を行った。オーガニックビレッジ宣言を行った自治体は8月末現在で129市町村となったが、生産地と消費地が共同での取り組みは今回が初。生産地にとって新しい販路の開拓、消費地にとっては食料の安定確保などメリットのある「オーガニックブリッジ」の構築を目指す。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)
オーガニックビレッジとは、有機農業の生産から消費までを一貫して地域ぐるみの取り組みを進める自治体のことだ。農林水産省はオーガニックビレッジ宣言を出した自治体に対して支援を行う。こうした取り組みを通じて、2030年までに6.3万ha、50年までに農地の25%にあたる100万haの創出を目指す。
旭川市と泉大津市の共同での宣言は、生産地と消費地の連携を試みる動きとなりそうだ。旭川市は農業が盛んで、水稲の作付面積・収穫量は道内で最多だ。一方、泉大津市の農地面積は面積に対して2.4%ほど。こういった生産地と消費地という対照的な立場にある両市は取り組みを通じて「オーガニックブリッジ」の実現を目指す。
「オーガニックブリッジ」は生産地と消費地をつなぐことを指す。具体的には、旭川市で生産された有機JAS認証米を泉大津市の学校給食用に提供する。イベントなどを通じて旭川市の有機農産物をPRすることで販路のさらなる拡大を図り、旭川市内での有機農業の拡大にもつなげていく。有機農業の取り組み面積を現状の36.5haから28年度末までに56.5haに増やしたい考えだ。
学校給食で提供されることから、環境負荷の少ない農産物を選ぶことの重要性などを学ぶ食育も推進する。
この記事へのトラックバックはありません。