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大阪と中国の「泉州」 日中の大学生が観光映像を制作して交流深める(朝日新聞)

 大阪府南部の海側の自治体を合わせて泉州地域と呼びます。「泉州」という地名は日本にだけでなく、中華人民共和国にも福建省泉州市があります。海のシルクロードの出発点として知られる街です。

 昨年度より、大阪の泉州地域の観光地域づくり法人「KIX泉州ツーリズムビューロー」の依頼で、同じ名前を縁に進める中国の泉州市との交流のお手伝いをしています。

 日本の学生たちが大阪泉州地域を紹介する観光映像を制作し、中国の学生たちが福建省泉州市を紹介する映像を制作する。そして、双方の映像を鑑賞して、相互理解を図るという事業です。

 昨年度は対面での交流はなく、オンライン交流だけだったのですが、今年度は実際に日本側から学生と私が中国の泉州市を訪問し、対面で上映会を開催することになり、1月5日から行ってきました。

 関西空港から中国のアモイ空港へ。そこから陸路で泉州です。年末の忙しさもあって、事前に泉州市のことは調べていませんでした。ホテルに荷物を置くと、泉州市の国際交流部門の方が迎えに来てくれました。

 「泉州市の人口はどれぐらいですか?」と聞くと、888万人とのこと。大阪の泉州地域どころか、大阪府の人口と同じくらいでした。実際、街中は大都会です。

 華僑大学で地元の4大学との交流を行いました。日本の学生たちは中国の学生たちのために、中国の学生は日本の学生のために、お互いに相手に届けるために作った紹介映像、観光映像はとても良いものでした。この交流をさらに深めていこう、中国の先生方ともそんな話になりました。

 泉州の梧林伝統集落という場所を訪れました。ここはかつては貧しい地域でしたが、東南アジア各国に出稼ぎに行き、その富で作り上げた街、華僑の街でした。「番客歌」という海外の労働歌が展示されていました。

 祖国に待つ家族のために一生懸命働こう、そういう詩でした。ここには立派な家が建ち、今や泉州を代表する観光地です。その観光地の横を中国の新幹線が走っていきました。

 和歌山県民も世界各国に出稼ぎに行き、県内にいくつも「アメリカ村」があった時代がありました。かつての日本、そして今の中国の生命力の強さ。生きるために世界で戦っていた頃。

 不確実な時代と言われる今を見ながら、そんな先人のたくましさを考えた、中国への旅でした。(和歌山大学観光学部教授・木川剛志)

朝日新聞

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