大阪港湾局は、港湾緑地である泉大津市の「泉北6区先端緑地」と「なぎさ公園」、岸和田市の「アクアパーク」について、民間事業者による維持管理の維持・向上、魅力向上やにぎわい創出に資する提案を受け、今後の官民連携による事業を検討するため、サウンディング型市場調査を実施する。現地見学会を2月14日に開催(2月7日まで申込受付)、対話申込を2月28日~3月7日まで受け付け、対話を3月中旬に実施、調査結果を3月下旬に公表する。
港湾エリアにおける緑地や広場・公園は、港湾エリアの自然環境の保全と良好な景観を形成し港湾労働者や周辺住民の憩いの場となるとともに、災害時には避難場所となるなど様々な機能を担っている。しかし、施設の老朽化対策が課題となるなど緑地等のポテンシャルが十分に活かされておらず、利用者を増やすため、利便性・快適性の向上を図り、港湾緑地の新たな賑わいづくりを進めていくことが重要。このような中、港湾法の一部改正が行われ、緑地等においてカフェ、レストラン等の収益施設の整備と、当該施設から得られる収益を還元して緑地等のリニューアルを行う民間事業者に対し、港湾管理者が緑地等の行政財産の貸付けを可能とする認定制度(みなと緑地PPP)が22年12月に創設された。これを契機に府民、市民等が親しめる空間整備・活性化を目的として、民間事業者による維持管理の維持・向上、そして魅力向上やにぎわい創出に資する提案を受け、今後の官民連携による事業を検討するため、サウンディング型市場調査を実施する。
調査対象緑地は①A地区=泉北6区先端緑地(泉大津市小津島町7、敷地面積約7ha、準工業地域(建ぺい率60%/容積率200%))②B地区=なぎさ公園(泉大津市なぎさ町8―1、敷地面積約1ha、用途地域は準工業地域(建ぺい率60%/容積率200%))③C地区=アクアパーク(岸和田市港緑町4、敷地面積約1・6ha、用途地域は準工業地域(建ぺい率60%/容積率200%))。
参加対象は、大阪港湾局(府営港湾)が管理する緑地の魅力向上に向けた事業に意欲を有する法人又は団体等。
対話内容は▽事業コンセプト(本調査の目的や提案条件を踏まえた事業コンセプト)=緑地の特性やポテンシャル、サービスを提供する主なターゲット(年齢層)を踏まえた提案▽事業概要=港湾緑地に求められる機能や前述した事業形態を踏まえ、集客見込みなど可能な限り具体的な提案。事業手法はみなと緑地PPPに限らず、幅広い観点からの効果的な事業手法の提案▽事業内容(実施内容、事業範囲、事業期間等)=ハード整備を伴う場合は施設概要を、ソフト事業の場合はプログラムの内容・実施スケジュール等も提案。ハード整備は緑地の魅力を高めるため、自らの投資により新たな賑わい施設を設置することや、既存施設をさらなる利活用、稼働率等向上に向け改修すること等を想定。収益施設(カフェ、レストラン、物販等サービス施設、駐車場等)は一つ以上提案。また、事業期間は現時点では契約締結日から最長20年間を予定、この期間内であれば事業期間の設定は自由▽実施に向けた課題等=提案事業を実施する上での課題、条件、必要な公的負担等の意見。個別事項は次の通り。
【泉北6区先端緑地】①08年度から事業休止しているため、当初計画していた休憩所やベンチなどの整備が残った状態となっている。こうした点を踏まえ、今後の活用にあたり最低限必要な施設の整備など大阪港湾局に求める事項についての意見②人や生物にとって良好な海辺環境を創出することを目的に干潟を整備し、ワークショップを継続して実施している。こうした点を踏まえ、干潟を活かした活用方法についての意見③周辺施設(助松緑道、小松緑道、シーパスパーク)と連携した活用方法について意見。
【なぎさ公園】①現在は26年6月までの社会実験として、BBQやドッグランを楽しめる施設が整備されおり、社会実験終了後の新たなにぎわい創出のための提案。現在の施設や形態を継続する必要はない②活用イメージは海辺のウォーターターフロントのロケーションを活かした非日常的な新たな賑わいを創出し、市民や府民が何度でも訪れたくなるような緑あふれる魅力ある公園の形成を目指している③カフェ等の収益施設の整備・運営と併せて、緑地やトイレ等なぎさ公園エリアの管理運営を行う事業となる。隣接する駐車場も含めての事業計画等の提案を求める④公園の維持管理に係る経費(草刈り、木の剪定、トイレ清掃等)は現在検討中だが、府が管理料を負担せず事業収益等による独立採算型の事業スキームを目指す。
【アクアパーク】①飲食店等の集客施設はなく、不定期にイベントが開催されるにとどまるなど有効活用されていない状況②南海岸和田駅から徒歩圏にある市街地に近い海辺に位置し、ボードウォーク等の親水空間も整備されていることから、ウォーターフロント環境を活かした新たな賑わいの創出のための施設整備やイベント等のソフト事業の提案を求める。ソフト事業は公園内での集客性や収益性の高いイベントやプログラム、物販等を提案③具体的には飲食・物販・サービス施設等の集客性のある収益施設等の整備・運営と併せて、緑地やトイレ等エリアの維持管理を行う提案を求める④当該緑地がある岸和田旧港地区には岸和田カンカン等の集客施設や文化施設が、近隣には漁港直送の鮮魚や特産品などが販売される「地蔵浜みなとマルシェ」、スポーツ施設のある浜工業公園等もあることから、海辺空間と市街地をつなぎ、来訪者が回遊できるような交流空間としての機能も期待する⑤公園の維持管理に係る経費(草刈り、木の剪定、トイレ清掃等)は現在検討中だが府が管理料を負担せず事業収益等による独立採算型の事業スキームを目指す⑥大阪府では岸和田旧港地区事業用地の活用を進めており、現在、当該地に隣接するかつてスポーツドームが立地されていた事業用地の公募を行っており、最優秀提案者は25年2月下旬頃に決定する予定。
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