石破茂首相が9日の衆院解散、15日公示、27日投開票の日程で行う方針を示したことを受け、各地の公共施設が投票所や開票所として使われることになり、本来予定されていたイベントの中止や延期が相次いでいる。思わぬ〝短期決戦〟に関係者からは恨み節も聞かれる。
「年1回の晴れ舞台。みなさん、中止を残念がっている」と話すのは、大阪府寝屋川市立西北コミュニティセンターの担当者。26日に予定されていた「コミセンまつり」が中止になった。
センターを使う団体の作品展示、歌や踊りの発表、模擬店出店の場だったが、期日前投票所や投票所に利用されるためとりやめになった。
大阪府貝塚市では4カ所に分かれて27日に開催される「市民スポーツの日」が、メイン会場の総合体育館が開票所となるなどして全て中止に。市スポーツ振興課は「運営に関わるはずの市職員も選挙事務を担い、人手も足りなくなった」と説明する。
会場の明け渡しや運営要員の不足といった同様の事情で、神戸市の「灘区民スポーツまつり」、京都市の「中京区民ふれあいまつり」なども中止を余儀なくされている。
影響は全国規模の大会にも及ぶ。福島県石川町では、26~27日に自転車レース「第4回石川クリテリウム」「第22回石川サイクルロードレース」が予定されていたが、沿道に立つ地元ボランティアが投票所の管理者や事務に従事するため、開催がかなわなくなった。
延べ千人以上が参加し、年間チャンピオンが決まる重要レースだった。全日本実業団自転車競技連盟の担当者は「選手たちにも地元の人たちにも中途半端になり申し訳ない」と語った。
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