鉄道駅の自動改札が多様化してきた。訪日外国人の増加を受けて、QRコードやクレジットカードのタッチ決済を使った改札が増え、顔認証式の実用化も始まった。今後数年で、一気に世代交代が進みそうだ。
西日本の玄関口、関西空港。直結する南海電気鉄道の関西空港駅は連日、訪日外国人客でにぎわう。
9月中旬、駅頭では時折スマートフォンに映し出したQRコードを、自動改札の読み取り端末にかざして通る乗客がいた。福田裕樹駅長は「1日約3万5千~4万人の乗客のうち、1割弱がQR利用。少しずつ増えている」と話す。
台湾から友人10人で関空に到着し、大阪市中心部の難波駅へ向かうところだった許佳玟(シュチアウェン)さん(26)は「QRコードは、旅行会社のサイトで買って、そのままスマホで使えるので便利です」。買ったのは難波までの特急の切符。駅で買うよりも、1割ほど安い価格設定だったという。日本旅行は3回目で、最初の旅行時に買った交通系ICカード「Suica(スイカ)」も持っているが、便利さと安さにひかれてQRコードを利用した。
南海は鉄道大手では早く、2021年4月にQRコードと、クレジットカードのタッチ決済が使える自動改札を導入し始めた。
23年11月には、デジタルチケット関連サービスなどを手がけるリンクティビティと手を組み、同社が連携する国内外約400社のネット旅行サイトに販路を広げた。
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