大阪 泉佐野市は設置を目指しているいわゆる「赤ちゃんポスト」を「りんくう総合医療センター」に設置する方針を正式に明らかにしました。
泉佐野市は市内の病院で▼親が育てられない子どもを匿名で預かるいわゆる「赤ちゃんポスト」の設置と、▼妊婦が医療機関以外に身元を明かさずに出産する「内密出産」の導入を検討していて、設置に向けた調査費用などおよそ800万円を盛り込んだ補正予算案が25日、市議会の本会議で全会一致で可決されました。
26日、千代松大耕市長は、報道陣の取材に対し市が出資した地方独立行政法人で産婦人科や小児科などを備える「りんくう総合医療センター」に「赤ちゃんポスト」と「内密出産」を導入する方針を明らかにしました。
設置にあたっては病院の改修工事をする必要があるとして、早ければ9月の市議会に工事費用などを盛り込んだ補正予算案を提出したいとしています。
設置されれば国内3例目となり、自治体主導では全国で初めてとなります。
千代松市長は「りんくう総合医療センターには母子の医療について専門的な人材がそろっていて、設置に十二分に対応してもらえると考えた。病院側も前に進めていただける感触があり、どんな形にするか関係機関と協議していきたい」と話していました。
【専門家「行政主導は評価」】
家庭福祉が専門で、熊本市の「こうのとりのゆりかご」の検証にも携わってきた、大阪総合保育大学の山縣文治 特任教授はNHKの取材に対し、「赤ちゃんポストも内密出産もこれまでは民間病院の取り組みということで、国は制度化について議論から距離を置いてきた。泉佐野市が行政主導で取り組み国に検討を促すのであれば国も答えざるを得なくなるのではないか」と述べ、評価する考えを示しました。
そのうえで、「取り組みを進めるうえで、妊婦の支援や子どもの養育、出自を知る権利の確保などの望ましい形について、国や先行する病院の専門家を交えて制度を作るための議論していくことを期待したい」と話していました。
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