大阪府熊取町の旧国道170号にかかる鉄橋「大宮橋」(全長約22メートル、幅6メートル)が、国内最古の鉄道用鉄橋を転用したものであることが分かった。土木専門家らによる研究グループと土木学会関西支部(大阪市)が17日発表した。
グループによると、国内では明治7(1874)年に英国から輸入した部材で神戸-大阪間にかけられた4つの鉄橋が鉄道用として最古とされる。うち「下十三川橋」の部材は撤去後、大阪市北区の「浜中津橋」に転用されたが、令和4年に撤去され、当時の鉄道橋で現存するものはない、とされてきた。
昭和6年に架設された大宮橋は、浜中津橋と似ているとしてこれまでも調査対象になってきたが文献では部材の由来は不明だった。そこで研究グループが保管されていた浜中津橋の部材と大宮橋の部材の成分を分析。浜中津橋と同様に、当時の鉄橋の部材が転用されたことが裏付けられた。
グループの坂下泰幸さん(71)は「浜中津橋が撤去されたなか、唯一の遺構として貴重だ」と話している。
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