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【泉佐野市】58年前に何が 半世紀愛される「あなご天×ネギ醤油」地元グルメ 驚きのルーツと誕生秘話(Yahoo!ニュース)

あなごの天ぷらにネギと醤油をぶっかけて食べる「あなご天×ネギ醤油」

これは、この地域特有の食べ方で、全国的にはあまり知られていないことをご存知ですか?
(天つゆや塩で食べるのが一般的)

本日は、地元熱愛グルメ「あなご天×ネギ醤油」の驚きのルーツと誕生秘話をお届けします。

地元で愛される「あなご天×ネギ醤油」

田尻漁港の朝市にやってきました。多くの人が「あなご天×ネギ醤油」を気軽に食べられる場所といえば、やはり漁港の朝市でしょう。

毎週日曜日(7時~12時)に開催される朝市では、漁港で水揚げされた新鮮な魚介類や地元で採れた野菜や果物の販売、たこ飯などの地元グルメが楽しめることもあり、週末は多くの人で賑わいます。

「あなご天×ネギ醤油」は長い歴史を刻むこの土地ならではのソウルフード。今や街の多くの店で食べられるようになりましたが、この食べ方は、本当に地元以外の人には馴染みがないのでしょうか。調査してみたいと思います。

この朝市では、地元民は早朝に目的を済ませ、8時頃までに帰る人がほとんど。9時以降は観光客で賑わう時間帯です。

行列ができることで有名な「誠光丸」の店先は、揚げたての天ぷらを求める人で賑わっていました。

田尻漁港の朝市で20年以上「あなごの天ぷら」を販売している「誠光丸」の社長も、「この食べ方のルーツは知らない。販売当初から街で親しまれていた」と話します。

大阪市内と寝屋川市からお越しの夫婦2組に話をうかがったところ、「あなご天×ネギ醤油」は、この漁港で初めて知り、美味しかったからリピートしているとのこと。

ほかにも愛知県や河内長野市からお越しの方々、その他大勢の方に話をうかがいましたが、「この漁港ではじめて知った」という人が大多数。近隣都市にも認知されていないことから、局所的なフードカルチャーであることがわかります。

街にいろんな「あなご天×ネギ醤油」がある

では、街ではどのような「あなご天×ネギ醤油」が食べられているのでしょうか。

長い歴史の中で、店ごとにオリジナリティが生まれているのも魅力的です。

ヨッシャ食堂の 「エビフライ定食」スタイル

朝4時開店の人気店「ヨッシャ食堂」の「あなご天×ネギ醤油」は「エビフライ定食」スタイル。丁寧にキャベツが敷かれ、レモンが添えられています。12年前から、地域で親しまれていたため提供開始。対馬産あなごのカリカリ天ぷらにレモンをしぼってあっさりと。
醤油は各自で。

330円(税込)

*その日の仕入れ状況により提供できない場合があります(要問合せ)。

「ヨッシャ食堂」のお出かけ情報はコチラ(外部リンク)

居酒屋 さのよいよいの「つゆだく」スタイル

創業45年の「居酒屋 さのよいよい」は、「つゆだく」スタイル。地元産中心の肉厚あなごの天ぷらをわり醤油とたっぷりのネギで風味豊かに味わえる。30年以上前から提供。きっかけは不明。
大阪の高級街・北新地店でも「あなご天×ネギ醤油」の魅力を発信中。

800円(税抜)。

*北新地店は料金が異なります。

「居酒屋 さのよいよい」のお出かけ情報はコチラ(外部リンク)

酒房こうりの「あなご天×ネギ×専用醤油」スタイル

創業35年の海鮮居酒屋「酒房こうり」では、「あなご天×ネギ」を「専用醤油」で味わうスタイル。先代が、あなご漁に携わっていたため、自然な流れでメニュー入り。かつては地元産、現在は韓国産のあなごを使用ながらも、熟練の技で国産同様の味わいに。丁寧に下処理されたふわふわのネギとかつおの旨味が際立つ専用醤油が、あなごの天ぷらとベストマッチ。

780円(税込)

「酒房こうり」のお出かけ情報はコチラ(外部リンク)

Japanese dining 小はれ の「頭付き」スタイル

その堂々たる姿は、まさに圧巻。「Japanese dining 小はれ」の頭付き「あなご天×ネギ醤油」。創業25年の同店は、“居酒屋×ラーメン屋”というユニークな営業スタイルが人気。大阪湾産の中ぶりあなご1本を、たっぷりの大根おろしと丁寧に刻まれた白ネギ、風味豊かな昆布醤油、いりごまであっさりと。
創業当時から提供。きっかけは不明。

780円(税込)

*その日の仕入れ状況により提供できない場合があります(要問合せ)。

「Japanese dining 小はれ」のお出かけ情報はコチラ(外部リンク)

DINING YORI(ダイニング ヨリ)の「カフェのランチ」スタイル

昼はカフェ、夜は居酒屋、それぞれの時間帯で異なる魅力が楽しめる「DINING YORI」では、まさかのランチメニューで「あなご天×ネギ醤油」が登場。これぞ、地元ならではの光景。
大阪湾で水揚げされた あなごを使用。提供のきっかけは、オープン前、田尻漁港で「あなご天×ネギ醤油」を食べて美味しかったから。
水菜、ネギと共にだし醤油でおしゃれに。

「アナゴ天ぷらランチ(ネギしょうゆ) 」1200円(税込)

「DINING YORI」のお出かけ情報はコチラ(外部リンク)

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驚きませんか?「あなご天×ネギ醤油」という一つの組み合わせから、多様なスタイルが生まれています。ほかにも街にはユニークな「あなご天×ネギ醤油」が多く存在します。
興味深いことに、提供のきっかけが不明の店では、「当時、すでに親しまれていたから」という回答がもっとも多く、これは、この食べ方が長い年月の中で自然発生的に広がり、地域に根づいていったことを示唆しています。
どのお店も「地あなごの減少」を憂いていたことが印象的でした。

そして、おおよそ1カ月にわたる調査と取材で、「あなご天×ネギ醤油」のルーツとなるお店が判明したのです。

地元の老舗寿司店が発祥の地だった!

羽倉崎にある「三平寿司」本店は、地元で58年愛される老舗。街のカウンター寿司の灯が次々と消える中、78歳の大将が、今も現役で暖簾を守り続けています。こちらの「三平寿司」が「あなご天×ネギ醤油」の発祥の地のようです。

木津市場から毎朝仕入れる旬の鮮魚で握る寿司はもちろん、焼き物、揚げ物、一品物も美味しいと評判の同店。手頃な価格で食べられる「にぎり盛り合わせ」1400円(税込)「ちらし寿司」1800円(税込)などもあり、本格寿司店でありながらお財布にやさしく、ランチ利用にもおススメです。

早速、気になる「あのこと」を尋ねてみました。

―「あなご天×ネギ醤油」のルーツが、このお店にあるという情報を入手したのですが、本当ですか?

「ホンマです。創業時の昭和42年頃は、地元の漁港であなごがようさん獲れたんですわ。ほんで、うちの賄(まかな)いでネギと醤油をかけて出しとったのがあっという間に広がったんです」

驚きました。大将の話によると創業当時(昭和42年)に賄いで出していた「あなご天×ネギ醤油」を、常連さんにお出ししたところ、美味しいと評判になり、昭和50年頃メニュー入りとなった。「三平寿司」で「あなご天×ネギ醤油」を食べた地元の人たちが、あまりの美味しさに街で語り継いでいった。これが真相のようです。

58年前、最初に「あなごの天ぷら」にネギと醤油をかけた歴史的人物は、「三平寿司」の大将 馬野 常夫さんです。

そして、30年ちかく、「あなごの天ぷら」を傍で揚げ続けてきたという二代目の馬野 耕平さんも、その歴史を見てきたといいます。

本家本元の「あなご天×ネギ醤油」が、ここにあります。

「揚げたて食べてみ。旨いで」と大将に言われ、口に頬張ると、もう美味しすぎて言葉になりませんでした。サクサクの衣に包まれたあなごの身はふわふわで、ネギの爽やかな香りと良質な脂が口いっぱいに広がります。

大将の馬野 常夫さんは、田尻漁港の近くで生まれ育ちました。昔は、地元の海でたくさんのあなごが獲れた話、今はすっかり漁獲量も減り、価格も10倍になってしまったことなど、寂しさを滲ませながらその歴史について語ってくださいました。現在は大将の目利きで、対馬産の特上あなごを仕入れています。

そのあなごは極上で、「穴子のにぎり」も食べさせていただきましたが、口に入れると一瞬でとろけてしまい、この世の食べ物とは思えない美味しさです。

残念ながら、当時の「あなご天×ネギ醤油」に関する資料は現存していませんが、同店のあなごの素晴らしさは、日清食品(株)の創業者会長 安藤 百福氏(1910年-2007年)も見初めていらっしゃいました。

そんな歴史的背景がみられるのも、老舗店ならではの魅力です。

*姉妹店「酒房三平」でも、同様の料理をお楽しみいただけます。

街のあなご事情

かつて大阪湾は、あなごの一大漁場であり、地元の漁港では、「捨てるほど」獲れたと語り継がれるほどの豊漁ぶりでした。しかし、近年この豊かな恵みは失われつつあり、あなごの漁獲量は減少の一途を辿っています。その理由については、様々な説がありますが、地球温暖化による海水温の上昇や過剰な漁獲、また、環境の変化によってあなごの餌となる生物が減少していることなどが示唆されています。

田尻漁港の漁師さんの話は、その現状を痛切に物語っていました。

最盛期には100隻ものあなご漁船がひしめき合っていた田尻漁港も、今やその数は10隻に満たないといいます。生活のために“あなご漁船”という生業の道具を手放さざるを得なかった漁師さんが大勢いたのです。

そのような状況下でも地域の人のために、あなご漁を続けている漁師さんもいらっしゃいます。

“行列ができる店”であなごの天ぷらを揚げ続ける「誠光丸」の社長にその理由を尋ねると「お客さんのため」ときっぱりと勇ましい答えが返ってきました。

また、未来を担う若人もがんばっています。

「誠亮丸」の若き漁師さんは、「誠光丸」の社長のご子息です。

「昔は一度の漁で40kg、50kg獲れたと言われているあなごが、今はその十分の一。経費も上がっているから正直儲けなんてないです。でも、この漁港を訪れた人が『泉州あなご』がないと残念に思うだろうから頑張ってます!」

「あなご天×ネギ醤油」で繋がる地域

地元の海であなごが豊富に獲れていた58年前、老舗寿司店の賄いとして生まれた「あなご天×ネギ醤油」。半世紀以上の時を経て、かつての海の賑わいを失った今もなお、地域の人々の手によって大切に守り継がれています。そこには海の状況が変わっても、この街の食文化を守ろうとする泉州人の情熱が映し出されていました。
地元の味は、記憶に深く刻まれ、故郷を離れても心の拠り所となるはず。

たくさんの人の想いが詰まった「あなご天×ネギ醤油」を、これからも愛し、守り育てていきましょう。この先もずっと、ずっと、このソウルフードが街に生き続け、そして未来へと繋がっていくために。

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