大阪府和泉市の「阪和いずみ病院」で2020年、自力で起き上がれない入院中の男性(当時40歳代)がマットの下敷きになり、その後に死亡したとして、遺族が病院を運営する医療法人や看護師らに慰謝料など約1億2400万円の損害賠償を求めた訴訟があり、大阪地裁で和解が成立した。病院側が事故の責任を認めて謝罪し、和解金として計4600万円を支払う内容。和解は2月20日付。
訴状によると、男性は20年3月、アルコール依存症の治療のために同病院に入院。床に敷いたマットに寝転んでいた際、看護師らが壁に立てかけていた別のマット(重さ5キロ)が倒れてかぶさり、窒息して心肺停止状態になった。男性は同年6月に蘇生後脳症で死亡した。
遺族側は、男性が薬の影響で筋力が低下して起き上がることができないことを看護師らが把握していたのに、適切な対応を怠ったとし、22年11月に提訴。病院側は「マットは軽く、窒息の危険性は低かった」と請求の棄却を求めていた。
同病院は取材に「お答えできない」としている。
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