大阪府立病院機構は、大阪母子医療センター本館棟などの現地建替を行う「大阪母子医療センター新病院整備事業」について、基本設計の内容や建設工事費等を精査し、再評価の結果、資材価格や労務単価の高騰により、全体事業費を22年度の評価時から約102億円増額の約386億円に変更する。今後はデザインビルド方式を採用し、25年度に事業者選定、25~26年度実施設計、25~30年度建設工事、31~32年度撤去・外構整備を予定している。
同センターは、開設から40年以上を経過する中で、当センターが引き続き大阪府の周産期・小児医療の中核施設として高い水準の医療・サービスを府民に提供していくにあたり、さまざまな課題が生じてきている。特に建物の老朽化や狭隘化により、新生児集中治療室などの最重症病床の環境改善をはじめとした大規模な施設整備が必要であり、デザインビルド方式を採用し、同センターの建替を実施する。現在の同センターは敷地面積7万1604・96㎡(うちセンター敷地6万8077・05㎡)に本館延3万2620・14㎡、付属建物延582・53㎡、研究棟(RI棟含む)延2877・40㎡、その他(手術棟、ファミリーハウス、宿舎、託児所、立駐等)が既存する。
建替計画の概要は、和泉市室堂町840における現地建替。敷地面積6万8077㎡、新センター棟S造一部SRC造(耐震構造)地下1階地上10階建延3万7567㎡、エネルギー棟平家建600㎡。病床数347床、診療科29診療科。配置計画は▽新センター棟=地下1階地上10階建で、敷地内高低差(約14m)を活かして、東側は1階、西側は3階で地上と接する計画。感染外来は主出入口とは明確に区別した専用出入口を設置▽エネルギー棟=平屋建で新センター棟及び手術棟の近くに計画し、電気設備及び医療ガス設備等を配置▽手術棟(既存)=新センター棟2階分娩エリアは既存手術室と密に連携できるよう、隣接したゾーニング計画▽研究棟(既存)=研究所を新センター棟9•10階に計画しており、新センター棟建設後、倉庫等として活用する計画▽駐車場=新センター棟の正面玄関前に大型のロータリーを整備し、エントランスに近い位置に車寄せを配置。
同機構は、23~24年度の基本設計で内容や建設工事費等を精査したところ、資材価格や労務単価の高騰により、事業費が増嵩。全体事業費は約386億円(工事費約356億円、医療機器約30億円)となり、22年度の事前評価時点から約102億円の増額となる。
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