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【堺市】寺山南山古墳保存・景観整備、25年度下期に設計委託(日刊建設工業新聞)

堺市は3月末に策定予定の「史跡百舌鳥古墳群整備基本計画(第2期)(案)」に基づき、古墳群の構成資産となる寺山南山古墳(堺区大仙公園内)の保存・景観整備に着手する。2025年度上半期に現況測量、下半期に基本設計をそれぞれ委託するため、25年度当初予算案に委託費として700万円を計上した。26年度以降、実施設計、工事を順次実施していく計画だ。
 寺山南山古墳は履中天皇陵古墳周辺の小古墳の一つで外周溝と接する位置にあり、周辺の景観形成に重要な役割を果たしている。現状では墳丘の一部が削平され、樹木の繁茂により視認性が低下している。墳丘長は44・7メートル(短辺39・2メートル)。
 計画案ではまず古墳の墳丘上の樹木整理を重点的に行い、古墳の稜線(りょうせん)を明確にするため、形状が曖昧になっている墳丘を盛り土で復元した後、地被類で保護する。墳丘上には埴輪(はにわ)や葺石(ふきいし)を原寸大写真で復元展示し、訪問者が古墳時代の姿を体感できるような仕掛けも取り入れる。全体としては既存の解説板更新や整備済み周遊路の活用などを通じ、訪問者が古墳群の全体像をより深く理解できる環境を整える。
 史跡百舌鳥古墳群保存整備計画は堺市の百舌鳥古墳群(対象古墳は全44基)を適切に保存し、後世に継承することを目的に18年に策定。第1期計画では御廟表塚古墳の保存・整備を実施した。
 第2期計画では寺山南古墳に続き、JR百舌鳥駅前に立地する収塚古墳(墳丘長59メートル)の整備にも取り組む。収塚古墳は現在、前方部と周濠が削平され、広場として活用中。堺市は都市計画道路事業と調整しながら古墳の遺構表示を新たに設置するなど、駅前広場と一体化した活用整備を進める方針。第3期以降の整備計画は今後の検討となる。

日刊建設工業新聞

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