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【堺市】「レモンのまちに」20年越しの願い 庭の木の思い出から広がった

雨が降る10月中旬の午前、記者(50)は泉北ニュータウン(堺市)の玄関口、南海泉北線泉ケ丘駅の南へ車を走らせていた。

 向かったのは、外れにあるレモン畑。県道からそれて、ハンドル操作を誤ったら転落しそうな細い道を進んだ。

 700坪ほどの土地に、約100本のレモンの木。まだ実は緑色だった。

 11月になると、黄色に変わるそうだ。レモン農家の苅谷由佳さん(62)=堺市南区=が教えてくれた。

 ニュータウンの竹やぶを開墾して育ててきたという。この「泉北レモン」を材料としたクラフトチューハイが、大手酒造メーカーから9月に商品化された。

協力者探すうちに自分が農家に

 苅谷さんとレモンを結ぶ原体験は、半世紀前にさかのぼる。

 泉北ニュータウンは当時、まち開きから間もない頃。そこに親が一軒家を建てた。庭には、2本のレモンの木。「毎年300~500個の実がなっていました」

 結婚後、転勤族の夫について回り、いくつかの土地を知った。20年ほど前、実家に戻ってきて、ふと気づいた。「泉北の土産物ってないな」

 描いていたアイデアが動き出…

「レモンのまちに」20年越しの願い 庭の木の思い出から広がった(朝日新聞)

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