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岸和田水道センターが、衛星データやAIを活用し持続可能な水道事業の実現を支援する水道DXソリューション「宇宙水道局」を導入

衛星データを活用し持続可能な水道事業の実現を支援する水道DXソリューション「宇宙水道局」を提供する、JAXA認定の宇宙ベンチャー 株式会社天地人(東京都中央区 代表取締役 櫻庭康人)が、大阪広域水道企業団岸和田水道センターさまと契約したことをお知らせいたします。

日本の水道インフラが抱える社会課題

上水道の「水道管の老朽化」を背景に全国各地で大規模な漏水事故が相次いで発生しています。しかしながら、日本の水道管延長の約23.6%にあたる約17.6万kmの管路が法定耐用年数を超えており、現状の手法では経年管の点検・維持・修繕の実施に多額の費用を要するうえに、広域、かつ、短期間で行うことは困難とされています(出典:日本水道協会「水道統計」)。さらに今後は、少子高齢化・人口減少により料金収入や職員数の減少が見込まれるため、問題は深刻さを増す一方です。天地人は衛星データを活用し、これらの課題解決に寄与したいと考えています。

岸和田水道センターの水道事業の取り組みのご紹介

大阪府南部に位置する岸和田市は、だんじり祭で知られる歴史と文化の街です。海沿いの港町風情、山間部と都市機能が調和する、住み良い環境の基盤として、水道の安定供給が重要な役割を担っています。

岸和田市の水道は、大阪広域水道企業団の水道システムを通じて供給されており、主な水源は淀川水系の表流水です。浄水は複数の広域浄水場で処理され、安定した水量と水質が確保されています。また、漏水対策や水質管理の強化に加え、岸和田水道センターとして窓口業務や料金収納業務を一元化することで、利用者サービスの維持・向上を図っています。

「宇宙水道局」は、漏水発見の効率化や調査範囲の絞り込み、業務のDX化を通して、岸和田水道センターさまの次世代につながる水道経営に貢献できるよう尽力してまいります。

岸和田水道センターさまのコメント

本市では、漏水による水道水の損失や断水を未然に防ぐため、漏水調査計画に基づき市内を3分割し、3年で一巡するように路面音聴調査等の漏水調査を行ってきました。

今回採用した人工衛星画像とAI技術を活用した漏水リスク評価システムにより、漏水リスクが高い地域を絞り込むことが可能となり、効率的に漏水調査を実施し、費用の削減ができるとともに、老朽化が進む管路の更新において優先的に更新が必要な箇所の選定にも活用できると考えます。

これにより、老朽化した水道管の早期修繕と的確な更新が進み、最終的には有収率の向上につながることを期待しております。

「宇宙水道局」について

「宇宙水道局」は、衛星データを活用し持続可能な水道事業の実現を支援する水道DXソリューションです。

1. 漏水リスク診断に基づく音聴調査支援

衛星データを活用した数メートル単位での管路のリスク診断により、高い解像度で現在・近未来の漏水のリスクの把握が可能です。また用途に応じて、メッシュ単位での漏水リスク診断にも対応します。漏水する可能性が高いエリアを絞り込むことで、優先的に調査すべき場所を簡単に見つけられ、効率的な維持管理を実現します。


2. 地域特性に応じた水道管の管路の更新計画策定支援

管路診断結果に基づく「健全度」(漏水リスク診断結果)と、一般住宅から重要給水施設(病院、学校、避難所など)まで、あらゆる施設や暮らしへの影響を包括的に考慮した「重要度」を組み合わせて評価することで複数の「更新優先シナリオ」を作成します。平時の漏水リスクを重視するシナリオや、災害時の社会的影響を重視するシナリオなど、地域課題や目的に応じた柔軟な設定が可能です。環境の変動を考慮したシナリオを通じて、各管路の更新優先順位を合理的かつ透明性をもって決定することで、有用性の高い計画策定を支援します。

「天地人コンパス 宇宙水道局」の本質的な価値は、長年蓄積されてきた自治体のデータと最新の衛星技術を融合させることにあります。この融合から生まれる「漏水リスクの情報」という新たな視点により、従来の音聴調査や更新計画といったアプローチが進化すると考えています。

過去の英知と未来の技術をつなぐこの取り組みが、限られた資源でより大きな効果を生み出す新しい水道事業の実現となるべく今後も貢献してまいります。

岸和田水道センターが、衛星データやAIを活用し持続可能な水道事業の実現を支援する水道DXソリューション「宇宙水道局」を導入(PR TIMES)

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