地域で増えていく耕作放棄地を再生したい――。大阪府泉佐野市で農業を営む株式会社「泉州アグリ」が、新たな挑戦を始めた。
同社は、若者の就労支援の場として始まり、2015年に株式会社化された。一から農業を始め、いまは約10ヘクタールの農地で、枝豆、トウモロコシ、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイなどを育てている。独自の販路を築き、大阪の高級ホテルの食材に使われるなど高い評価を受けるまでになった。
自社の農地で生産するだけでなく、地域の農家の作業も請け負う。たとえば、キャベツの運搬、タマネギの収穫など、農家と話し合い、作業を「分解」することで、農業の経験が浅い若者でも作業ができるようにしている。
同社代表取締役の加藤秀樹さん(43)は「農業の現場では圧倒的に労働力が足りない。若者と農業をつなげられるのがうちの強み」と話す。ただ、地域の信頼も得て経営面積を拡大してきたが、急速に進む耕作放棄地の増加に、危機感を感じているという。
そこで、農業を未来へつなぐために取り組むのが耕作放棄地の再生だ。
農業に関心のある企業と連携し、再生した農地を交流や体験、学びの場などとして活用することも想定。企業の農業参入の支援もしたいという。目指すのは、「誰も耕さない土地」を、「みんなで育てる希望の畑」に変えていくことだ。
農地の再生に使う農業用機械などをそろえるため、10月19日までクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。支援へのリターンは、季節の野菜や新米、収穫体験、農業研修など。詳細は、CFサイト「キャンプファイヤー」(https://camp-fire.jp/projects/854473/view?list=search_result_projects_popular)で。
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