大阪府の中学受験熱心度ランキング
大阪府の中学受験熱心度ランキングはどうなっているのだろうか。全国的に中学受験への関心が高まる中、特に大都市では私立・国立中学校への進学率が年々上昇している。本記事では、全国における大阪府の熱心度だけでなく、大阪府内の市区町村別に私立・国立中学校在籍率（中学受験熱心度）を分析し、その実態と変化を詳しく解説しよう。
データについては、京都産業大学の桐村喬氏の研究「統計から見た「中受」の地域差」による区市町村別公立中学校在籍者比率（学校基本調査による区市町村にある公立中学校の在籍者数が、国勢調査による当該区市町村の中学校在学者数に占める割合）を基にしており、これから国立・私立中学の校の在籍者を推計してランキングを作成した。
12都道府県での大阪府の中学受験熱心度は7位
主要12都道府県（東京、神奈川、埼玉、千葉、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、奈良、広島、福岡）での比較によると、大阪府の私立・国立中学在籍率は8.5%で、12都道府県中第7位となっている。
これは中学受験に熱心な12都府県の中でも中位に位置している。
| 順位 | 都道府県 | 私立・国立中学在籍率 |
|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 23.7% |
| 2位 | 神奈川県 | 13.3% |
| 3位 | 奈良県 | 11.5% |
| 4位 | 広島県 | 11.4% |
| 5位 | 京都府 | 10.8% |
| 6位 | 兵庫県 | 8.7% |
| 7位 | 大阪府 | 8.5% |
| 8位 | 千葉県 | 7.4% |
| 9位 | 静岡県 | 6.4% |
| 10位 | 福岡県 | 4.9% |
| 11位 | 埼玉県 | 4.5% |
| 12位 | 愛知県 | 3.8% |
※私立・国立中学在籍率は京都産業大学 桐村喬氏の研究「統計から見た『中受』の地域差」を基に算出。
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市区町村の中学受験熱心度ランキング（大阪府）
大阪府で中学受験に熱心な市区町村はどこか。以下は、私立・国立中学在籍率を推計して、高い順にランキングしたものだ。
このデータは居住地ベースの統計のため、「越境」して中学校に通学している中学生も含まれる。特に中学校が少ないエリアだと越境者の影響が大きくなるため、中学生数が少ない市区町村は掲載対象外とした。また地域内の公立中学校に越境通学してくる生徒が多い市区町村は、実際よりも「私立・国立中学在籍率」が低く出る傾向があり、本ランキングでは0%以下となる場合は「0%」と表示した。
| 順位 | 市区町村名 クリックで 近隣塾を検索 | 私立・国立中学在籍率 （2020年） | 私立・国立中学在籍率 （1990年） | 中学校在学者数 （2020年） |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 大阪市天王寺区 | 32.6% | 0.0% | 1,971人 |
| 2位 | 大阪市中央区 | 20.8% | 14.3% | 1,325人 |
| 3位 | 大阪市浪速区 | 19.3% | 15.8% | 644人 |
| 4位 | 大阪市阿倍野区 | 18.3% | 0.0% | 2,712人 |
| 5位 | 大阪市北区 | 17.6% | 1.9% | 1,844人 |
| 6位 | 大阪市福島区 | 15.1% | 7.3% | 1,601人 |
| 7位 | 藤井寺市 | 14.5% | 3.7% | 1,711人 |
| 8位 | 大阪市西区 | 14.1% | 8.6% | 1,772人 |
| 9位 | 河内長野市 | 14.0% | 5.4% | 2,387人 |
| 10位 | 堺市東区 | 13.7% | 2.6% | 2,270人 |
| 11位 | 豊中市 | 12.5% | 2.9% | 10,766人 |
| 12位 | 吹田市 | 12.4% | 5.4% | 10,106人 |
| 13位 | 池田市 | 12.3% | 7.1% | 2,737人 |
| 14位 | 大阪市城東区 | 12.2% | 6.4% | 4,212人 |
| 15位 | 大東市 | 11.8% | 3.7% | 3,232人 |
| 16位 | 四條畷市 | 11.4% | 5.9% | 1,745人 |
| 17位 | 柏原市 | 10.9% | 6.3% | 1,810人 |
| 18位 | 和泉市 | 10.9% | 2.8% | 5,693人 |
| 19位 | 泉佐野市 | 10.6% | 3.0% | 2,673人 |
| 20位 | 堺市西区 | 10.6% | 2.6% | 4,133人 |
| 21位 | 大阪市都島区 | 10.5% | 3.9% | 2,383人 |
| 22位 | 島本町 | 10.1% | 2.3% | 877人 |
| 23位 | 大阪市東住吉区 | 10.0% | 3.5% | 2,816人 |
| 24位 | 堺市堺区 | 10.0% | 2.6% | 3,370人 |
| 25位 | 羽曳野市 | 9.9% | 8.3% | 2,945人 |
| 26位 | 大阪市鶴見区 | 9.7% | 2.6% | 3,390人 |
| 27位 | 門真市 | 9.6% | 5.0% | 2,880人 |
| 28位 | 高槻市 | 9.6% | 3.6% | 9,639人 |
| 29位 | 堺市北区 | 9.2% | 2.6% | 4,310人 |
| 30位 | 箕面市 | 9.1% | 6.6% | 3,997人 |
| 31位 | 茨木市 | 9.0% | 3.6% | 8,266人 |
| 32位 | 大阪市西成区 | 9.0% | 11.0% | 1,552人 |
| 33位 | 大阪市住吉区 | 8.8% | 5.6% | 3,447人 |
| 34位 | 守口市 | 8.8% | 0.2% | 3,150人 |
| 35位 | 八尾市 | 8.7% | 3.9% | 6,822人 |
| 36位 | 泉南市 | 8.6% | 2.7% | 1,805人 |
| 37位 | 高石市 | 8.5% | 3.5% | 1,510人 |
| 38位 | 交野市 | 8.5% | 4.5% | 2,215人 |
| 39位 | 大阪市港区 | 8.4% | 1.9% | 1,784人 |
| 40位 | 大阪市東成区 | 8.3% | 8.1% | 1,704人 |
| 41位 | 大阪市生野区 | 8.3% | 12.8% | 2,213人 |
| 42位 | 大阪市平野区 | 8.3% | 5.2% | 4,652人 |
| 43位 | 大阪市西淀川区 | 8.2% | 5.7% | 2,439人 |
| 44位 | 大阪市旭区 | 8.0% | 5.4% | 1,870人 |
| 45位 | 大阪狭山市 | 7.7% | 3.9% | 1,697人 |
| 46位 | 堺市南区 | 7.6% | 2.6% | 3,928人 |
| 47位 | 阪南市 | 7.5% | 2.3% | 1,440人 |
| 48位 | 寝屋川市 | 7.5% | 2.7% | 5,704人 |
| 49位 | 松原市 | 7.4% | 3.5% | 2,855人 |
| 50位 | 堺市美原区 | 7.1% | 2.6% | 1,184人 |
| 51位 | 貝塚市 | 7.0% | 2.9% | 2,650人 |
| 52位 | 岸和田市 | 6.9% | 0.0% | 5,341人 |
| 53位 | 泉大津市 | 6.7% | 0.0% | 2,064人 |
| 54位 | 大阪市淀川区 | 6.4% | 2.3% | 3,390人 |
| 55位 | 大阪市大正区 | 5.9% | 4.8% | 1,499人 |
| 56位 | 摂津市 | 5.3% | 1.2% | 2,168人 |
| 57位 | 大阪市東淀川区 | 4.7% | 1.9% | 3,381人 |
| 58位 | 熊取町 | 4.5% | 3.8% | 1,339人 |
| 59位 | 堺市中区 | 4.1% | 2.6% | 3,515人 |
| 60位 | 枚方市 | 2.3% | 4.2% | 10,383人 |
| 61位 | 大阪市住之江区 | 2.1% | 2.7% | 2,755人 |
| 62位 | 富田林市 | 1.4% | 12.9% | 2,877人 |
| 63位 | 大阪市此花区 | 0.0% | 2.4% | 1,458人 |
| 64位 | 東大阪市 | 0.0% | 4.3% | 9,861人 |
※京都産業大学 桐村喬氏の研究「統計から見た『中受』の地域差」を基に算出。
1990年の中学校在学者数は年齢各歳別の人口をもとに算出。
自治体の再編・合併があった市区町村については、編集部で最適な在学者数を推計した。
政令指定都市の区の場合、区を跨いだ通学区域が設定されていることもあるため、「私立・国立中学在籍率」が高くなることがある。
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私立・国立中学在籍率がもっとも高いのは大阪市天王寺区
大阪府で私立・国立中学在籍率がもっとも高かったのは大阪市天王寺区（塾比較ページにリンク）で32.6%となっている。 大阪市天王寺区で中学受験が熱心な理由はいくつか考えられる。
まず、「真法院町」などの高級住宅街があることだ。大阪市天王寺区は、上町台地に位置する文教地区で、大阪中心地へのアクセスもよく、教育熱心な家庭が多い地域だ。教育に多大な投資を行うことが一般的で、私立や国立の中学校への進学を目指す家庭が多いといえる。
区内に関西屈指の名門中学が複数立地していることも理由としてあげられる。大阪市天王寺区には、大阪星光学院中学校、四天王寺中学校、大阪教育大学附属天王寺中学校など、進学実績があるだけでなく特徴的な教育を実践している中学校が徒歩圏内や通学圏内にあるため、公立中学以外を選択する家庭が多いのだろう。
上位エリアの有名私立・国立中学校は？
私立・国立中学在籍率が上位のエリア（大阪市天王寺区、大阪市中央区、大阪市浪速区、大阪市阿倍野区、大阪市北区、大阪市福島区、リンク先は塾比較ページ）およびその周辺には、多くの名門校が立地している。 そこで主な中学校を紹介する（リンク先は各学校の塾ランキング）。
中学受験過熱度ランキング（1990年→2020年の変化）
1990年から2020年にかけて、どの地域で中学受験熱が高まったのか。以下は、私立・国立中学在籍率の変化が大きい順のランキングだ。
過熱度がもっとも高かったのは大阪市北区で15.7%の増加となっている。
※越境入学等が多く、正確なデータが算出できない以下の市区町村は除く。大阪市天王寺区、大阪市阿倍野区、岸和田市、泉大津市
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これらの地域では、関西経済圏の中心地としての発展し、高所得世帯が集中しており、関西の名門私立中学校への交通利便性などから、中学受験熱が高まったと考えられる。特に大阪市北区では、大阪星光学院中学校や四天王寺中学校などの関西最難関校への通学圏内にあり、教育環境を重視するファミリー層が流入したことが数値に表れているのだろう。
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