堺市立中学校での保護者対応を巡り、市教育委員会の対応がパワーハラスメントに当たるとして、校長が堺市を相手取り損害賠償を求める訴訟を起こしました。教育現場で問題化する「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対応の在り方が問われています。
■ 訴訟の概要
提訴したのは堺市立中学校の校長。
市教委の対応によりうつ病などを発症したとして、慰謝料など約330万円を求めています。第1回口頭弁論は大阪地裁堺支部で開かれます。
発端は令和6年7月、複数の生徒が無断で校外へ出た事案。敷地外で遭遇した教諭が注意指導を行ったところ、保護者側が「一般人がいる場所での指導は不適切」などと主張し、担任兼部活動顧問だった教諭の解任や懲戒処分を求めました。
■ 校長側の主張
訴状などによると、市教委は保護者の意向に沿うよう謝罪などを繰り返し強要。校長は精神的負担を受け、うつ病などを発症したとしています。
校長側は、市教委の対応がパワハラに当たると主張しています。
■ 背景にある「カスハラ」対策
2024年6月公布の改正労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)では、事業者にカスタマーハラスメント対策が義務付けられました。
しかし教育現場では、保護者の要求が正当な意見なのか、過剰な要求なのかの線引きが難しく、学校と教育委員会で判断が分かれるケースもあるとされています。
今回の訴訟は、「誰が現場を守るのか」という構造的課題を浮き彫りにしています。教育現場を守る実効性あるルール整備や、学校と教育委員会の役割分担の明確化が求められています。








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