KDDIは1月22日、堺市内に整備した「大阪堺データセンター」の稼働を開始した。製薬や製造業など幅広い分野でのAI活用を見据えた拠点で、大阪湾岸エリアに国内有数のAI計算基盤が誕生した形だ。
大阪堺データセンターは、シャープ堺工場跡地の大規模な電力・冷却設備を再利用して整備された。延床面積は約5万7千平方メートル、地上4階建て。水冷技術を活用した最新設備を導入し、高性能GPU「NVIDIA GB200 NVL72」などを備える。構想からわずか半年で稼働にこぎ着けた点も特徴とされる。
同センターでは、Googleの生成AIモデル「Gemini」を含むオンプレミス型AIサービスを提供。データを国内で管理・処理する「データ主権(ソブリン性)」を確保しており、医療情報や企業の機密データなども国外に移転することなくAIの学習や推論に活用できる。
具体的な活用例としては、武田薬品工業と連携した医療ビッグデータ分析プロジェクトが予定されており、電子カルテのテキスト情報を含めたAI解析による創薬・診療支援への応用が見込まれている。また、製造業向けには自動車や航空機分野で重要となる流体解析の高速化・高度化を支援し、設計開発の効率向上につなげる。
さらに、KDDIは国産AIの開発にも注力。企業や業界ごとに特化したAIモデルを、学習から推論まで一気通貫で提供する体制を整え、医療・金融・行政など専門領域でのAI実装を後押しする方針だ。
環境面では、使用電力の100%を再生可能エネルギーでまかなう。KDDIは2025年度中に、国内外すべてのデータセンターで再生可能エネルギーへの切り替えを完了させるとしている。
堺市に立地する大阪堺データセンターは、産業集積地としての大阪都市圏の強みを生かし、関西発のAI活用を加速させる中核インフラとなりそうだ。








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