大阪府泉大津市は31日、コメ不足を受けて初めて実施した市民向け産直販売の予約受け付けを終了した。銘柄米5キログラムが3500円とスーパーより2割安かったが、予定数量の4割に相当する16トンにとどまった。政府の備蓄米放出で店頭の品薄感が和らいだことが主因。市は来年も続ける方針で、時期や販路を練り直す。
コメの産直販売は小中学校の給食で培った仕入れルートを活用。北海道旭川市の生産者から2024年産「ななつぼし」45トンを確保した。
インターネット販売による宅配がメインで、送料(1000円)を含めると5キロ4500円となり、スーパーと同じか若干高かった。6月中旬から備蓄米が2000円程度で店頭に出回り、そちらにも需要が流れたとみられる。

7月1〜15日に自治会経由で受け付けた11トン、10〜31日のネット経由での5トンは、8月下旬から順次発送する。残った分は、9月21日にイベント会場で手渡しによる販売を予定している。売れ残った場合は今回の産直販売を担う精米機大手の東洋ライス(和歌山市)が在庫を引き取るため、市に負担は生じない。
南出賢一市長は来年以降「コメ不足はさらに厳しくなる」とみている。すでに一般市民向けに今年と同じ45トンを確保しており、上積みも模索している。今回の結果を踏まえ、時期、価格、販路などを見直す。流通を担う農業法人の設立や市内の外食店ルートの活用も選択肢に浮上しそうだ。
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