大阪・堺の伝統産業である包丁が、訪日外国人の間で高い評価を集めている。新世界(大阪市浪速区)に店を構える包丁専門店では、海外からの観光客が次々と包丁を手に取り、その切れ味や種類の豊富さに驚きの声を上げている。
通天閣近くの「タワーナイブズ大阪」では、柳刃包丁や三徳包丁など日本独自の包丁を、英語をはじめとする多言語で説明。左利き用包丁の存在に感心する来店者も多く、日本の細やかなものづくりが注目されている。
同店を開いたのは、カナダ出身のビヨン・ハイバーグさん。来日後、堺市内の包丁販売会社で堺刃物に出会い、その切れ味に強い衝撃を受けたという。食材の断面が美しく仕上がり、素材の味を生かす日本料理と包丁の関係性を知ったことが、店を開くきっかけとなった。
2011年に開業して以降、単に販売するだけでなく、使い方や手入れ方法まで丁寧に説明する姿勢が支持を集め、国内外に多くのファンを持つようになった。
2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを背景に、包丁への関心も世界的に高まっている。堺市堺区の「堺 伝匠館」では、外国人による刃物購入件数が約10年で3倍以上に増加。海外見本市でも「堺」の名を掲げたブースに人が集まるなど、国際的な認知度の高さがうかがえる。
また、包丁の「研ぎ体験」も人気を集め、堺市内の店舗には海外からの予約が相次ぐ。職人から直接技術を学ぶ体験は、日本文化への理解を深める機会にもなっている。
長年培われてきた職人の技と、それを世界に伝える担い手の存在が、堺の包丁を支えている。堺刃物は今、泉州を代表する地場産業として、世界にその価値を広げ続けている。






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